国際比較でも労働生産性が低い日本
労働生産性の低さは、日本全体に共通する課題です。政府は「働き方」の問題と位置付けて改善を図っていますが、裏を返せば「経営」の問題です。経営者が、ビジネスモデルと業務効率の改善に長けていないため、従業者の「働き方」が悪いのです。従業者は「働き方」や「業務の量と質」を自由に決め...
サービス産業の労働生産性
前回の政策ブログ「雇用のミスマッチとトレーニング」では、職業訓練への公的支援の薄さが人手不足を助長していることを解説しました。その背景には、職業能力の修得を自己責任原則としている社会の問題があります。 一方、「サービスの職業」や「運搬・清掃等の職業」におけるミスマッチは、背...
雇用のミスマッチとトレーニング
民需での人手不足は、企業へのアンケートでも明らかになっています。長野県の調査(8頁図2-4)で、計画どおりに従業員を採用できなかった企業に対してその理由を尋ねたところ、7割を超える企業が「充分な人数の応募がなかった」と回答しました。そもそも応募数が足りないというのは、人手の...
民需と官需で人手の奪い合い
人口総数の減少と高齢化による労働力の減少が相まって、民間企業での人手不足感は年々、強まっています。図表は、全国の完全失業率と有効求人倍率の推移です。リーマンショック後に5.1%まで高まった失業率は、徐々に低下し、2016年には3.1%まで下がりました。2017年は2%台で推...
長期的に定常社会を目指す
「人口減少を認める道」は、人口減少を容認して放置することではありません。当面の人口急減が避けられないことを認めた上で、それでも住民の暮らしと地域の経済が破たんしないように手を尽くす政策路線です。むしろ、現実もしくは近い将来に現実となる地域課題と真正面から格闘する、徹底的な現...
国策が地域の人口減少を加速させている
若者の大都市集中を招いている最大の要因は、大学など高等教育機関の大都市集中です。大学や学部の立地は自由でなく、文部科学省の認可事項であるため、政府の方針によって大都市集中になったといえます。図表の都道府県格差は、国策の結果なのです。...
移住者の増加で地域人口はV字回復するか?
日本全体で人口が減少し、出生率の上昇に限界があるとしても、地域単位で見れば、移住者の増加で地域人口がV字回復することが、可能性としてはありえます。全国的にどこの地域でも人口が減少しているのに、特定の地域だけ、人口が流入し続けるという状況です。...
出生率上昇でも人口のV字回復は見込めない
移民受入による「人口増加を目指す道」が非現実的だとしても、出生率の大幅な上昇によって、人口のV字回復が可能との考え方があります。出生率が、人口置換水準を大きく上回れば、人口は回復する計算になるからです。しかも、過去の出生率の実績は、人口置換水準を上回っていました。戦後最高の...
「人口増加を目指す道」は現実的か?
日本の進路は、大きな岐路に立っています。人口増加と経済成長に再び転換し、従来の社会運営を継続するのか、それとも人口減少と経済成熟を受け入れ、それらを前提とした社会運営に転換するのか。どちらを選択するかによって、あらゆる政策が変わってきます。...
「人口増加を目指す道」と「人口減少を認める道」
日本は、明治以降の人口増加期が終わり、人口減少期に入ったところです。図をご覧ください。ピークの人口は江戸時代と比べ、約4倍まで急増しています。今後の人口は、急減していくと予測されています。 人口増加は、これまで社会運営の大前提となっていました。戦前は海外に人口のはけ口を求め...