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文系自治体職員でもできる!持続可能な地域のつくり方講座 公共施設から始める(2)

持続可能な地域づくりにおいて、どこの自治体でも第一歩としてもっとも取り組みやすい案件は、公共施設を持続可能にすることです。公共施設と一口にいっても、その種類は様々です。行政の庁舎はもちろんのこと、学校や図書館、保育園、病院、市民ホール、競技場、ごみ処理場、浄水場、公営住宅など、多岐にわたります。

持続可能な地域づくりを公共施設から始める理由は、次の6つです。

第一の理由は、全国どこの自治体でもできるからです。公共施設を有さない自治体は存在しません。日本最大の市である横浜市はもちろんのこと、人口数百人の村であっても、必ず複数の公共施設を有しています。

第二の理由は、多くの公共施設が老朽化し、多くの自治体で建替えや改修を迫られているからです(図表)。いずれにしても、建替えや改修が避けられないならば、持続性の高い公共施設にすることが合理的ですし、持続性を高めるための工事を別に行うよりも、安く済みます。

第三の理由は、住民の共有資産だからです。資産ですので、建設費(イニシャルコスト)だけを抑えてもダメで、運営費(ランニングコスト)を含めたトータルの費用を抑えつつ、住民によって有効利用されることが大切です。持続性は、トータル費用の安さに概して比例します。

第四の理由は、公共施設の持続性が民間建物の模範になるからです。住民や企業には持続可能性に配慮することを求めつつ、それを求める当の自治体が配慮していなければ、持続可能な地域にはなりません。持続性の高い公共施設は、民間に対するショーケースの役割も果たします。

第五の理由は、公共施設の配置が都市計画の要となるからです。公共施設は、一般的に多数の住民によって利用される建物です。それが、徒歩や自転車、公共交通で訪れやすい場所にあるのか、それともクルマでなければ行けない場所にあるのかで、都市計画やまちづくりは変わってきます。

第六の理由は、検討するためのデータと計画が備わっているからです。地球温暖化対策推進法第21条によって、すべての自治体には、自らの事務事業について温室効果ガス排出を抑制するための計画策定が義務づけられています。そのため、どこの自治体であっても、エネルギー使用量や廃棄物の量など、過去のデータを基に対策を検討することができます。詳しくは、環境省ホームページをご覧ください。

【図表 市区町村保有の主な公共施設の延べ床面積の推移】(総務省「公共施設等の総合的かつ計画的な管理による老朽化対策等の推進」)

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