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    貧困世帯を直撃しやすいエネルギー費用

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    貧困世帯は、エネルギー費用の負担割合が高くなりやすい構造のなかに置かれています。ここでのエネルギー費用とは、具体的に冷暖房費とガソリン代です。これらが、中所得・高所得の世帯よりも、家計を圧迫しやすいのです。

     

    多くの貧困世帯が居住する民間賃貸住宅の主流は、軽量鉄骨造です。いわゆるプレハブのアパートです。工期が短く、耐震性・耐久性があり、安価に建設できる一方、見栄えがきれいで、間取りが広く取れ、部屋が埋まりやすいため、大家さんに選ばれています。

     

    軽量鉄骨住宅の居室は、外気温の影響をダイレクトに受けることが特徴です。鉄の熱伝導率(83.5/単位はW/m・K/以下同じ)は、木材(0.15-0.25)の約40倍あります。また、住宅の窓サッシに使われているアルミ(236)は、木材の約120倍もあります。ちなみに、ガラス(0.55-0.75)の熱伝導率は高くありません。居室の内側を厚い断熱材(ロックウール断熱材の熱伝導率は0.038-0.064)で、すき間なく囲んでいれば、外気温の影響はほとんど受けませんが、建設費が高くなってしまいます。たいていの場合、大家さんは、投資利益を目的として賃貸住宅を建設するため、最低限の建設コストしかかけません。

     

    つまり、貧困世帯の住宅は、夏暑く、冬寒いため、快適な居室温度を確保するためには、冷暖房機器をフルに運転する必要があるのです。それも、生半可な暑さ、寒さではありません。夏は、屋根を照りつける太陽のため、鉄骨の柱は目玉焼きが焼けるくらいの熱さになります。冬は、夜間の冷え込みで、キンキンの冷たさになります。それらの鉄骨が、薄い石膏ボードを挟んで、居室の四方を囲んでいるのです。鉄骨の柱は、夏は発熱材、冬は冷却材となります。それでは、どうしてもエネルギー費用がかかってしまいます。それを我慢すれば、熱中症や風邪などになってしまいます。

     

    さらに、貧困世帯は家賃の安い住宅を求めがちですが、そうした住宅は不便な場所にあります。不便さを補うとすれば、電車やバスなどの交通費をかけるか、自動車を購入してガソリン代をかけるかしなければなりません。とりわけ、地方都市ではそもそも公共交通が貧弱なため、自動車を使わなければ、日々の買い物すら困難になります。要は、安い家賃と引き換えに、ガソリン代をかけなければならないのです。

     

    これらは、行政の供給する公営住宅でも同じです。民間よりも安い家賃で借りられますが、老朽化して不便な場所にあることが多く、エネルギー費用はかかります。しかも、公営住宅は減少傾向にありますので、希望する貧困世帯がすべて入居できるわけではありません。

     

    そもそも、中所得層以上の住む戸建住宅すら、断熱が不十分な状態にあり、賃貸住宅の断熱がなされていないことは、明白です。図表は、日本の住宅ストックの断熱状況です。現在の断熱基準に相当する平成11年基準を達成している住宅は、わずか5%しかありません。

     

     【図表】国土交通省推計による住宅ストックの断熱割合(2012年)(経済産業省資料「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策について」)

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