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    設計プロセスを指定することに加え、エネルギー関係の設計・設備の検討に際しての優先順位を基本設計の仕様書に指定しておけば、より効果的です。これは「予算度外視で究極の高いエネルギー性能の建物をいったん設計」する段階での優先順位です。予算額に達するまで引き算するときの根拠は、費用対効果です。これらを混同しないよう、注意してください。

     

    優先順位は「断熱>気密>日射コントロール>換気>通風>設備>再エネ熱>再エネ電気」となります。自然光による「採光」は「日射コントロール」に含みます。空調や給湯機、貯湯槽(蓄熱タンク)は「設備」に含みます。熱と電気を同時につくるコージェネレーション設備(コジェネ)は「再エネ熱」に含みます。蓄電池はいずれにも含みませんが、検討する場合は「再エネ電気」の次に「電気自動車(蓄電池として使えるタイプ)>蓄電池」と続けます。

     

    この優先順位で検討することにより、もっとも安い「予算度外視で究極の高いエネルギー性能の建物」を設計できます。予算度外視といっても、あくまでそれは「予算制約を気にしないで設計する」というだけで、合理的な設計を放棄させるわけではないのです。

     

    本来であれば、この優先順位をすべての設計者が理解していることが望ましいのですが、残念ながらそうでないため、仕様書で指定しておくことが重要です。これにより、エネルギー消費を最小にすること、施設の機能・快適性を確保すること、財政的負担を抑制することが同時に確保できます。また、屋根に太陽光発電を取り付けたり、待合室に薪ストーブを置いたりするだけの「環境アリバイ」型の公共施設を避けることができます。

     

    ドイツでは、この考え方で設計された公共施設が建てられ始めています。【図表】はその一つ、旧東ドイツ地域にあるホーエン・ノイエンドルフ市立ニーダーハイデ小学校です。ベルリン郊外の戸建住宅エリアで、2011年に建設された公立学校です。児童550人、延床面積7,500㎡で、夜間・休日には住民の集会・スポーツ施設としても使われます。

     

    ドイツには、最低限度の省エネ基準が設けられていますが、それをはるかに超える「パッシブハウス基準」もあり、それを満たす公共施設が増えているのです。ニーダーハイデ小学校もパッシブハウス基準を満たしています。この基準は、1年間・1㎡当たりの冷暖房負荷が15kWh以下であることを求めています。そのため、外気温が氷点下であっても、木質ペレットボイラーによる全館暖房で21℃の室温を維持しつつ、ゼロエネルギーを実現できています。一方、日本の省エネ基準では、年間冷暖房負荷が95kWh以下となっていますので、これを満たすどころか、相当の注意を払わなければ、エネルギー性能の高い建物にならないのです。だから、事務職員も含めて、庁内で大いに議論する必要があります。

     

     【図表】ホーエン・ノイエンドルフ市立ニーダーハイデ小学校(日本エネルギー機関提供)

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