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文系自治体職員でもできる!持続可能な地域のつくり方講座 エネルギー性能の高い公共施設をつくる(3)

April 8, 2018

政府のZEB/ZEB Nearlyだけでは、真に持続的なエネルギー性能の高い公共施設に不十分なため、自治体職員の積極的な取組みが必要になります。公共施設の仕様は、どうしても技術職員に任せがちとなりますが、事務職員であっても大いに意見を述べることが大切です。そのためには、事務職員であっても、一定の知識を身につけておかなければなりません。といっても、難しいものではありません。

 

身につけるべき知識の第一は、建物の形状とエネルギー消費の関係です。【図表】の2種類の建物のうち、中の熱が逃げにくい形状は、A(凹凸や渡り廊下などが豊富なデザイン性高い建物)とB(箱形のシンプルな建物)のどちらでしょうか。

 

空間内部の熱は、同じ体積・同じ素材の壁であっても、表面積が多くなるにつれて、外に放熱し(逃げやすくなり)ます(外の温度と等しくなるまでの時間が短くなります)。外と内の接する面が増えるため、それだけ熱が伝導するためです。自動車などのエンジンは、この原理を活用して、効率よく熱を逃がしています。

 

よって、箱型のシンプルな建物がもっとも放熱しにくいことになります。究極的には、球型の建物がもっとも放熱しにくいのですが、実際的ではありません。そのため、正解はBとなります。ちなみに、箱型の建物であっても、バルコニーや出窓などの突起状のデザインを備えれば、表面積が増えるため、放熱を助長してしまいます。ですので、基本設計や仕様書の段階で、機能面で特に必要ない凹凸はできる限り排除するのが基本になります。

 

施設の目的に照らして、突起状のデザインが必要になる場合は、建物と突起物の接合部に断熱材を挟み、金属やコンクリート同士でつながらないようにします。そうすると、突起物の重量がある場合、支えきれませんので、突起物に柱を設けて、構造の上ではそれ自体を自立させます。

 

建物と突起物の間に断熱材を挟まない場合に生じる「熱橋(ヒートブリッジ)」という概念は、極めて重要です。単純化して説明しましょう。熱を伝えやすい2つの物質の間に、まったく熱を伝えない断熱材を挟めば、熱は伝わりません。ところが、熱を伝えやすい物質(例えば金属製のボルト)で2つの物質をつなげば、間に断熱材を挟んでいても、両者をつないだ物質を通って熱が伝わってしまいます。この熱が伝わる部分をヒートブリッジと呼びます。多くの建物では、ヒートブリッジ防止への配慮がほとんどなされていません。

 

つまり、公共施設のデザインをシンプルな箱形にし、突起物を必要最小限にして、最低限の突起物にはヒートブリッジが発生しないようにする必要があります。これらを理解し、意見を述べることは、文系の事務職員であっても難しくないでしょう。

 

 【図表】2種類の建物デザイン(田中信一郎作成)

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