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構造的な差別が地域経済を衰退させる

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人手不足は、働くことや社会参加を望む人々を阻害することによっても、助長されています。働くことを望む多くの人々が、地域に潜在しています。ハードルが取り除かれれば、そうした人々が働き始め、人手不足を緩和できます。

 

阻害されている人々の典型は、子どものいる女性です。主要国における女性の年齢別の働く割合を見ると、日本は、20代後半を頂点に30代で落ち込み、子育てが落ち着く40代から再び上昇しています。出産を契機とした就業率の低下は、日本と韓国の特徴です。

 

これは、子育てと仕事の両立が難しい社会環境に起因します。保育園や男女の出産・育児休暇、短時間勤務や在宅勤務など柔軟な勤務制度、残業を前提としないビジネスモデルなど、男女がともに働き、ともに育児をする社会環境が整っていないため、仕事を辞めたり、低い待遇に変更されたりということが、余儀なくされているのです。実際、正規雇用の女性で、出産後も同じ職を継続するする割合は約5割にとどまっています。

 

正規・非正規の雇用区分にも注意が必要です。40代で再び女性の就業率が上昇するとしても、再就職する場合にパートやアルバイトなどの非正規雇用であることが多いからです。これは、離婚を契機とした女性・子どもの貧困に密接に関係する問題です。

 

障がいを持つ人々も、働くことを阻害されがちな人々です。図表は、障がい者において、仕事を求める人と就職した人の推移です。人手不足の状況にもかかわらず、障がい者の場合は求職者が就職者の2倍に達します。

 

このように、働くことや社会参加を阻害する社会的なハードルは、構造的な差別です。人口増加期は、青年・中年の男性を正規雇用の人手として想定し、それ以外の人々を例外としていました。そのときにつくられた制度や慣行が、現在でも構造として残存し、女性や障がい者の働くことなどを、その人々の特有の状況以上に、困難なものとしています。

 

同様に、高齢者や介護をする人々、日本在住の外国人も、正規雇用の人手として想定されていませんでした。そのため、十分な専門知識や経験を持つ人材であっても、自らの状況と労働条件が合わないことで、非正規の単純労働をすることがしばしばあります。

 

変わらなければならないのは、様々な状況を抱える個人でなく、社会の方です。個人の抱える状況に関係なく、働くことを希望する誰もが、生活できる待遇で働けるようにしなければ、生産力と所得が減少し、人口減少に比例して地域経済は縮小します。むしろ、社会や企業の側から、「働いてください」とお願いしなければならない状況なのです。そのための構造的な差別、すなわち社会環境の改善と偏見の解消に徹底的に取り組まなければ、その地域の経済は、人口減少に伴って、衰退を余儀なくされるでしょう。

 

 【図表】障がい者の就職件数及び新規求職申込件数の推移(厚生労働省「平成27年度障害者の職業紹介状況等」)

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