November 5, 2017

負の効用に由来する経済活動を正の効用に由来するものに転換することでは、断熱住宅の普及による循環器系疾患の抑制が有効です。ブログ「医療費・介護費を減らすと同時に地域経済を活性化」で解説したように、新築・改修で住宅の断熱性・気密性を高めれば、循環器系疾患に代表される季節変動のある病気・死因を予防できるとともに、医療費・介護費を抑制できることになります。

実際、夏と冬の死亡の差には、住宅性能の違いによる地域差が大きくあります。【図表】では、寒冷地の北海道でその差が小さく、北関東や西日本の太平洋沿岸地域でその差が大きくなっています。比較的温暖...

October 26, 2017

人口減少、需要過少、技術転換という3つの課題に対し、5つの政策を打つことで対応できます。すべてが自治体で完結できる政策ではなく、国レベルで取り組むべきものもあります。ただ、そうした政策についても、自治体から積極的に提案・要望することで、実現を目指していくことが重要になります。

第一の政策は、労働生産性の向上です。一人当たりの稼ぐ力を高めることで、人口減少に比例した経済縮小を緩和します。それには、ブログ「国際比較でも労働生産性が低い日本」で解説したように、より短い労働時間で、より稼ぐ経営をしなければなりません。そのためには、従業者の自発...

October 14, 2017

冬に多い死因の冬と夏の落差について、寒冷地の方が大きいと限りません。図表は、北海道と栃木県の主要死因について季節変動を比較したものです。北海道の方が、栃木県よりも寒冷地であるにもかかわらず、季節変動がなだらかです。

これは、それらの死因について、外気温よりも室温が大きく影響することを示しています。民間気象予報会社のウェザーニューズ社の調査によると、朝起きたときの室温が高い地域について、沖縄県に次いだのが北海道の16.3度でした。栃木県は10.7度でした。

それは、国土交通省の調査でも裏付けられています。調査によると「冬季において起床時室...

October 8, 2017

循環器系疾患は、典型的な生活習慣病で、人々の生活状況を改善することで予防できます。効果的な予防方法で確立されているのは、禁煙(たばこを吸わないこと)、減塩(塩分を取り過ぎないこと)、運動です。国立循環器病研究センターによると、睡眠の質の改善やストレスの緩和など、様々な生活習慣の改善が予防につながります。

そのため、多くの自治体では生活習慣の改善を住民に呼びかけています。なかには、住民や医療機関との協働で、草の根の取組を続け、循環器系疾患の減少を実現した地域もあります。代表的な事例としては、長野県における食生活改善運動があります。保健師...

October 5, 2017

自治体経営の観点から医療・介護を見ると、サービス利用者数が将来にわたって一定で推移することが望ましい状態になります。利用者が増加する見込みであれば、施設を建設し、医師などの従事者を確保しなければなりません。利用者が減少する見込みであれば、既存施設の稼働率が低下し、施設経営を脅かします。医療・介護施設は一定の利用者を前提とするため、それを下回れば施設を廃止するか、公的支援を拠出するか、選択が迫られます。

問題は、多くの自治体にとって、望ましい状態に程遠いことです。自治体が恐れるのは、短期・中期的に利用者が増加する傾向で、その後に減少する...

October 2, 2017

全国的に見れば、高齢者数は増加し続けますが、一部の地方は既に減少・横ばい状態になっています。例えば、長野県天龍村(約1,600人)は、1980年以降総人口が減少し続け、65歳以上の人口も2005年をピークに減少へ転じています。同様に、既に高齢者数すら減少に転じている市町村は、地方圏に多数あります。また、都市と農山村を抱合する広域レベルで見ても、一部の県は高齢者数が横ばい傾向になっています。図表は、長野県の長期人口推移です。「将来展望」は対策の効果を加味した想定、「社人研準拠」は現状のまま推移した想定です。いずれの数字でも、65歳以上...