October 26, 2017

人口減少、需要過少、技術転換という3つの課題に対し、5つの政策を打つことで対応できます。すべてが自治体で完結できる政策ではなく、国レベルで取り組むべきものもあります。ただ、そうした政策についても、自治体から積極的に提案・要望することで、実現を目指していくことが重要になります。

第一の政策は、労働生産性の向上です。一人当たりの稼ぐ力を高めることで、人口減少に比例した経済縮小を緩和します。それには、ブログ「国際比較でも労働生産性が低い日本」で解説したように、より短い労働時間で、より稼ぐ経営をしなければなりません。そのためには、従業者の自発...

September 5, 2017

人手不足は、地域の生産力と所得を減少させるため、自治体と地域経済界が直視すべき、重大な課題です。自治体は、不要不急の官需を抑制し、民需から人手を奪うことを最小限にしなければなりません。公的な人材育成の仕組みを早急に整え、転職のハードルを下げる必要もあります。経済界は、経営者の能力向上と意識改善に真正面から取り組む必要があります。構造的な差別の解消は、自治体と経済界の最優先すべき課題です。

一方で、人手不足と上手に付き合うことで、より良い地域をつくることができます。官需を抑制しても地域経済に影響が少ないならば、自治体は財政構造を抜本的に...

September 2, 2017

人手不足は、働くことや社会参加を望む人々を阻害することによっても、助長されています。働くことを望む多くの人々が、地域に潜在しています。ハードルが取り除かれれば、そうした人々が働き始め、人手不足を緩和できます。

阻害されている人々の典型は、子どものいる女性です。主要国における女性の年齢別の働く割合を見ると、日本は、20代後半を頂点に30代で落ち込み、子育てが落ち着く40代から再び上昇しています。出産を契機とした就業率の低下は、日本と韓国の特徴です。

これは、子育てと仕事の両立が難しい社会環境に起因します。保育園や男女の出産・育児休暇、短時...

August 30, 2017

労働生産性の低さは、日本全体に共通する課題です。政府は「働き方」の問題と位置付けて改善を図っていますが、裏を返せば「経営」の問題です。経営者が、ビジネスモデルと業務効率の改善に長けていないため、従業者の「働き方」が悪いのです。従業者は「働き方」や「業務の量と質」を自由に決められず、経営者がそれを決めています。

日本の労働生産性の低さは、国際比較で示されています。図表をご覧ください。左図表は、労働者1人当たりのOECD諸国間での比較で、日本は22位です。非効率的な経済で財政破たんしたギリシャより低い労働生産性です。右図表は、労働時間当た...

August 27, 2017

前回の政策ブログ「雇用のミスマッチとトレーニング」では、職業訓練への公的支援の薄さが人手不足を助長していることを解説しました。その背景には、職業能力の修得を自己責任原則としている社会の問題があります。

一方、「サービスの職業」や「運搬・清掃等の職業」におけるミスマッチは、背景の課題が異なります。職業訓練が課題になっているのは、専門的・技術的な職種です。サービス等の職種は、専門的な知見を比較的求められない職種です。それでいて、事務の職種と異なり、対人コミュニケーションや肉体労働を求められます。相対的に、賃金が高くないものの、精神的あるい...

August 24, 2017

民需での人手不足は、企業へのアンケートでも明らかになっています。長野県の調査(8頁図2-4)で、計画どおりに従業員を採用できなかった企業に対してその理由を尋ねたところ、7割を超える企業が「充分な人数の応募がなかった」と回答しました。そもそも応募数が足りないというのは、人手の過剰でなく、不足の状態だからです。

この人手不足は、技能のミスマッチによって、深刻さを増しています。図表は、2015年7月の職業別の求人・求職の状況です。これを見ると「専門的・技術的職業」で、企業に人手不足が起きていると分かります。一方、高度な技能を比較的求められな...