October 31, 2018

デンバーの挑戦は、モータリゼーション社会にも及んでいます。アメリカでの脱モータリゼーションのまちづくりは、オレゴン州ポートランドがよく知られています。ポートランドは、高速道路建設を断念したことをきっかけに、都市の膨張を抑制する政策を立て、公共交通を充実させてきました。これに対し、デンバーは、いったん都市の膨張とモータリゼーションの普及が進んだ後に、脱モータリゼーションへ転換しようとしています。

その中核は、公共交通事業を担うデンバー地域交通局(Regional Transportation District: RTD)です。デンバーは...

October 24, 2018

デンバーでは、職住分離から職住同所へと、都市計画の考え方を変えつつあります。モータリゼーションの発展したデンバーでは、郊外の住宅地から中心部のオフィス街へ車で通勤するのが当たり前の都市で、行政もそうした都市計画を進めてきました。しかし、近年は、中心部で積極的に集合住宅を整備しています【写真1】。

職住同所による街中居住は、住む人の利便性だけでなく、街の賑わいも高めます。モータリゼーションの盛んな地域で、職住分離が進むと、街中の商業施設や集客施設は、夜間と休日に閑散となります。これら施設は、平日と休日等で集客が異なるため、稼働率(採算性...

October 14, 2018

2018年8月、3週間の日程でアメリカ各地を訪ね、エネルギーやイノベーションに関係する機関や専門家からヒアリングして回りました。訪問したのは、ワシントンDC、ボストン、デンバー、サンフランシスコです。アメリカ国務省の International Visitor Leadership Program (IVLP) の一環です。国務省及び関係者の皆さまに心から感謝申し上げます。

持続可能な地域づくりの観点では、コロラド州デンバーの取組みに関心を持ちました。デンバーは、市の人口約60万人、都市圏人口250万人の大都市です。都市圏で見ると、名...

March 6, 2018

持続可能な地域づくりにおいて、どこの自治体でも第一歩としてもっとも取り組みやすい案件は、公共施設を持続可能にすることです。公共施設と一口にいっても、その種類は様々です。行政の庁舎はもちろんのこと、学校や図書館、保育園、病院、市民ホール、競技場、ごみ処理場、浄水場、公営住宅など、多岐にわたります。

持続可能な地域づくりを公共施設から始める理由は、次の6つです。

第一の理由は、全国どこの自治体でもできるからです。公共施設を有さない自治体は存在しません。日本最大の市である横浜市はもちろんのこと、人口数百人の村であっても、必ず複数の公共施設を有...

November 23, 2017

インフラの取捨選択は、地域社会を存続させる上で、避けて通れない道です。人口減少に合わせて、維持すべきインフラを減量しなければ、インフラが使えなくなるか、インフラコストに潰れてしまうかのどちらかです。いずれにしても、住民生活と地域経済を圧迫します。

一方で、一部の人にインフラ不備のしわ寄せや移転の強制をするわけにもいきません。これまで生活することが認められていた地域で、突然それを禁止するのは、人命にかかわる危険のない限り、認められるものでないからです。それに、どれだけ不便であっても、人は住み慣れた場所を離れがたいものです。当事者の意思に...

November 20, 2017

人口減少においても、住民生活と地域経済の基盤となるインフラを安価なコストで維持するためには、時間をかけて取捨選択する必要があります。稼働率・効果の低いインフラを廃止し、稼働率・効果の高いインフラに投資を集中していくのです。

一方で、現在の稼働率・効果だけで選択と集中を行うと、一部の人々にしわ寄せがされるだけでなく、必ずしも全体としての稼働率・効果が高まるわけではありません。なぜならば、既に中心部が空洞化したドーナツ状に拡大した都市域で、ドーナツ部分に投資を集中しても、非効率的な都市構造が存続するだけです。

重要なことは、地域の課題や不安...